大腸内視鏡検査(大腸カメラ)とは
下部消化管(大腸・結腸)にできる病気(炎症、潰瘍、ポリープ、癌)などを見つけ、適切な治療を行うための検査です。
肛門から内視鏡スコープ入れて直接、大腸を観察することができます。 ポリープがあれば、その時点で切除することができます。大腸がんの早期発見や予防、治療には非常に有用な検査です。 予約制で検査の前に感染症の血液検査と検査について注意事項、事前に必要な下剤の内服法についてご説明いたします。なお当院では毎週水曜日のほか、隔週土曜日に実施しております。
ポリープ切除
ポリープは、その場で切除できます。 スネアと呼ばれるワイヤーを投げなわのように隆起したポリープの根元にかけ切り取ります。 スネアで切除したポリープは、回収して病理組織検査で、良性・悪性の判断や悪性度の判断を行います。
より小さなポリープやくびれのないポリープの場合は、クリップ状の鉗子(かんし)でつまんで切除することもあります。 この鉗子は切除と止血が同時にできます。 また、 隆起の少ない場合は、局所注射用の注射針を使って、根元に生理食塩水等を注射し、ポリープを隆起させてから切除しています。
- ポリープ
- 生理食塩水で隆起させる
- 切除後
検査時間
当院の大腸内視鏡検査は予約制で検査の前に感染症の血液検査と検査について注意事項をご説明いたします。なお当院では毎週水曜日の他、隔週土曜日に実施しております。
大腸がんの早期発見と治療が可能です
大腸がんは食生活の欧米化によって日本で増え続けています。現在、女性におけるがんによる死亡者数の原因疾患で第1位です。ほとんどの大腸がんはポリープから発生するため、ポリープの段階で切除してしまえば予防が可能です。内視鏡検査はポリープや早期の大腸がんを確実に発見するために有効な唯一の検査です。ただし、ポリープや早期の大腸がんには自覚症状がほとんどないため、症状がない段階での内視鏡検査が不可欠です。
大腸内視鏡検査による検査が必要なケース
大腸がんの検査というと便潜血検査が一般的です。ただしこの検査は腸を直接見るわけではないので、完全ではありません。毎年検査を必ず受けていただく必要があります。これにより、進行大腸がんの見落としを防ぐことができると考えられています。しかし、なんらかの自覚症状がある場合は、大腸内視鏡を行うことが望ましいと考えられます。便秘、下痢、出血、腹痛、腹満感がある場合は主治医に相談して下さい。
内視鏡検査では大腸粘膜をすみずみまで直絶観察できるため、小さなポリープや初期の大腸がん、その他の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)を発見できます。組織を採取して確定診断が可能です。また、その場でポリープや早期のがんを切除する日帰り手術もできるため、治療まで完了できます。 大腸がんリスクが上昇しはじめる40歳を超えたら内視鏡検査を受けるようお勧めしています。また、ご家族に大腸がんになった方がいる場合には、リスクを考慮して定期的な検査をお勧めしております。
当院の特徴
日本消化器外科学会指導医による検査
大腸内視鏡検査は、苦しい検査というイメージが強く、実際に辛い思いをされた患者様もいらっしゃいます。当院では日本消化器外科学会認定医・専門医・指導医の資格を持つ医師が検査を行います。できるだけ患者苦痛の少ない検査を提供いたします。
レーザー内視鏡システム
当院ではレーザー光源搭載の最新鋭の内視鏡システムを導入しております。「白色光用」「BLI用」の異なる2波長のレーザー光源が搭載されています。発光強度を変更し粘膜を照射することで、小さな病変の早期発見が容易になりました。
「BLI(Blue Laser Imaging)」と「LCI(Linked Color Imaging)」
2種類のレーザー波長の発光強度比を調整することで、観察タイプを使い分けることができます。これにより粘膜表層の毛細血管の状態を鮮明に映し出すことができます。
痛みを考慮した挿入方法
大腸カメラ検査で痛みや不快感が生じるのは、大腸が圧迫される時です。当院では、伸び縮みする腸を手前に折りたたみながら直線的に挿入する軸保持短縮法を用いることで腸壁を圧迫することなく内視鏡スコープを挿入しているため、痛みや苦痛がありません。また、腸壁を圧迫しないことから安全性もより高い検査手法になっています。長い経験と高い技術力があってはじめてできる挿入法です。
鎮静について
どうしても大腸内視鏡が不安である方、以前に大腸内視鏡で挿入が困難であった方はご相談により、鎮静剤を使うことも可能です。鎮静を使った場合は、検査後しばらく院内の個室でお休みいただきます。お時間に余裕をもってお越しください。なお、当日は車やバイク、自転車の運転はできませんので、ご注意ください。
徹底した衛生管理
当院では、内視鏡検査に用いる医療機器を徹底的に洗浄・殺菌して大腸菌O-157やピロリ菌、肝炎ウイルスなどの感染を防いでいます。スタッフ一同が厳しい衛生管理を心がけておりますので、安心して検査を受けていただけます。
大腸ポリープ切除
大腸内視鏡検査中に大腸ポリープを発見した場合、その場で切除する日帰り手術を行っています。ほとんどの大腸がんは放置されて成長した大腸ポリープから発生するため、ポリープを切除することで大腸がんの予防につながります。大腸ポリープの形状にもよりますが、10㎜以上になる前に切除することが大腸がん予防として推奨されています。
大腸内視鏡検査でわかる病気
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 大腸憩室症
- 虚血性大腸炎
- 薬剤起因性大腸炎
- 感染性腸炎
- 痔
など
大腸の疾患
- 早期がん
- 進行がん
- クローン病(原因不明の炎症)
- 憩室症(腸壁の弱くなったもの)
- 潰瘍性大腸炎(原因不明の炎症)
- 腸結核(細菌による感染)
検査の流れ
Step1検査準備
検査をご希望の方は、まず外来にお越し下さい。 来院されましたら、事前の血液検査(感染症検査)を行い、検査日の予約を取ります。 感染症検査は院内感染防止・安全のためには不可欠なものですので、必ず受けていただいております。 皆様のご理解・ご協力をお願いいたします。 検査日前日の夕食は午後9時までに軽く済ませ、それ以降は禁食です。夜寝る前に下剤を飲んでいただきます。
Step2検査当日
- 検査当日は朝から禁食です。
- 検査前に、下剤を服用いただき、腸のそうじをします。下剤の飲み方については外来で看護師がパンフレットを用い丁寧に説明いたします。
お腹のそうじができましたら、内視鏡による検査を行います。 ポリープがあれば、その場で切除することが可能です。 検査当日は検査時にいろいろな薬を使う可能性があるので、お車の運転は避けてください。 またポリープを切除した場合は一週間飲酒、刺激の強い食事、激しい運動、熱い風呂への入浴を控えていただきます。
Step3結果報告
検査結果は、検査後画像を見ながら説明いたします。
病変組織を取り病理検査を行った場合は、1週間後に結果が出ますので、再診時に報告いたします。
治療費の目安
費用は内視鏡の所見(ポリープ、潰瘍、腫瘍の有無)、処置の有無やその病理検査の有無により異なります。
内容 | 料金 |
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大腸内視鏡 | 6,000円〜30,000円 (健康保険適用(3割負担)の場合) |